M012 フォスター先生

M012 Doctor Foster


フォスター先生
グロスターにお出かけ。

とても酷い雨の中。

水たまりにはまってね
腰あたりまで水浸し。

もう二度とそこには行かなくなった。


Doctor Foster went to Glo'ster
In a shower of rain;
He stepped in a puddle, right up to his middle,
And never went there again.
MOTHER GOOSE The Old Nursery Rhymes

マザーグースは訳者泣かせです。
英文を素直に訳したら、韻を無視することになり魅力が半減する。

かといって、韻を大事にするとしたら、言葉を作り替えなければなりません。

このライムは Doctor ― Foster ―Glo’ster,rain ― again, puddle ― middle のように複雑に韻が絡み合っています。

でも、フォスターとグロスターは固有名詞なので、そのままにしておける。ちょっと訳者には助かるライムです。

同様なことを北原白秋先生も「まざあ・ぐうす」の巻末に書いてあり、同じようなことを考えるんだな。。
とうれしくもなりますが、その後すぐに「お医者様の西庵さんが埼玉へ行って」なんて書きだすので、
やはり先生と私には雲泥の差があるようです。

ちなみにグロスターはオックスフォードの西側に位置する都市。
ピーターラビットシリーズの「グロスターの仕立て屋」の舞台でもありますね。

英国王エドワード1世(在位1272―1307)がグロスターを訪問時、乗用馬がぬかるみに足を取られ難儀。
その後二度とグロスターの町へは寄り付かなかったという逸話が実際にあるそうです。

フォスター先生の正体はエドワード1世かもしれませんね。


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