M004 小さなマフェット

M004 Little Miss Maffet


小さな マフェット嬢ちゃん
小さな 丘の上に腰をおろし
少しの チーズを食べていた

大きな クモがやって来てね
小さな 嬢ちゃんの横に座る

大きな 声で叫んで逃げ出す
小さな マフェット嬢ちゃん


Little Miss Muffet, 
She sat on a tuffet,
Eating of a curds and whey,
There came a great spider,
Who sat down beside her,
And frighten'd Miss Muffet away.
RIDICULA REDIVA

M003のジャック・ホナー君と対をなすライムです。

そこで、ジャック・ホナー同様、1行の文字数を同じにすることを意識して訳してみました。
それと、行の最初を「小・小・少」「大・小」「大・小」と繰り返すことで遊んでみました。

このライムで訳しにくいのが、tuffetとcurds and whey。

tuffetとは、草や花が集まって少し高くなったところの様ですが、小さな椅子でもあるらしく、正直なところよくわかっていません。
海外の絵本なども、丘に座っていたり、椅子に座っていたりしていますし、日本訳も単に「座って」と訳すことが多いようです。

curds は凝乳、wheyは乳清や乳漿の事。牛乳からチーズを作る過程で、副産物としてできるのがwhey。ヨーグルトの上にうっすら溜まっている透明の液体がありますが、それとほぼ同じものです。

これは大変栄養価が高く、これを食べさせる事で、健康に育ち、肉に臭みがなくなり、脂身までおいしい。。。
そう、あのホエー豚のホエーです。

で、ホエーと同時にとれる固形成分がcurdsです。オランダのカッテージチーズもこのcurdsに含まれるんだとか。

今回は、単に「チーズ」と訳しました。ちなみに谷川俊太郎先生も「おやつ」と訳しています。

ちなみにこのマフェット嬢ちゃんにも、モデルと呼ばれる実在の人物がいます。

クモの研究で知られるイギリスの昆虫学者トーマス・マフェット(1553-1604)の継娘、ペイシェンス・マフェット。

ただ、名前とクモが関連しているだけで、確たる証拠があるわけではありません。


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