A001 On a Day, In the Beck
「警部、こちらです」
キャンプ場に近い小川で、その死体は発見された。
「なんだ。。こいつは。。。」
フォスター警部補は、顔をしかめた。
男うつぶせになって倒れている。
ただそれだけの、何の変哲もない現場だ。
だが、なぜかフォスターには奇妙な違和感を感じていた。
「死因は頸部圧迫による窒息死。ガイシャの身元は分かっていません。
ただ、洋服にHDのイニシャルが・・」
「HD..」
肥えた体に、禿かかった頭。イニシャル付の寝間着・・
近くのキャンプ場を使用する客層からして、実業家の一人だろう。
ならば、身元の割り出しにそう時間はかかるまい。
「なぜ、こんなものが・・」
男の首には白いシーツのようなものが巻き付いてあった。
「首を絞めるには、太すぎる・・」
「なにかのメッセージでしょうか・・」
「第一、キャンプ場にシーツとはな・・奴さんベッド一式を持ってきたのか」
「まさか・・キャンピングカーの寝具じゃないですか?
犯人はキャンピングカー内でガイシャを殺し、シーツにくるんでここに捨てた」
「だとしたら、くるまれているのは首じゃない、体だ・・」
どうも腑に落ちない・・・
「警部、身元の関係者らしき人が・・」
一人の警官が報告に来た。
「昨日から行方の分からない人がいるので、ひょとしたらその人ではないかと・・」
確かに、一人でキャンプに来るのも不自然な話だ。
仲間がいておかしくない。
「よし、その人に顔を確認してもらってくれ・・」
「それが・・ですね・・」
警官は困惑した表情を見せた。
「どうかしたのか」
「はい。。その人物とは・・医師40名と技術者40名なんです。全員に確認してもらいますか」
・・・どうやら、殺人の謎よりも深い謎があるようだ・・
・・・すいません。落ちも何もありません ただの妄想の暴走です ^^